一級建築士 【代表岩本が語る 不動産再生のコツ】
実績に基づき解説!「築古ビルの寿命を約20年延ばす方法とは」

Column

建物の寿命には、「法定耐用年数」と「実効耐用年数」の2つがあります。法定耐用年数は税法に基づく耐用年数のことであり、RC造の建物では50年で価値がゼロとみなされます。しかし、実際には50年以上利用できる建物も数多く存在します。

一方、実効耐用年数はこれまでの管理状況を踏まえて、建物があと何年利用可能かを判断した年数です。具体的には建物の内外部を第三者検査機関などが調査し、耐用年数を評価します。

当社の直近の事例では、建物の平均寿命が約21年延びた実績があります。(表1)

▲表1
▲表1

通常、建物を保有した場合の減価償却費は法定耐用年数に基づいて計算されますが、公的機関から実効耐用年数の評価を取得し、建物の寿命を延ばすことで減価償却の期間を長くすることも可能です。築古ビルを購入する際、「建て替えるべきか、それともリニューアルすべきか」と悩むことがありますが、実効耐用年数が延ばせる場合、リニューアルする方が収支上有利になるケースもあります。

また、リニューアル後に建物を売却する際も、建物の寿命を延ばすことで通常の築古ビルよりも高値で売却できる場合があります。もちろん、実効耐用年数の延長には適切な建物の管理や修繕が前提となることは言うまでもありません。

大切な建物を長く安全に活用し、資産価値を最大限に引き出していきたいですね。

▲建物の寿命を27年延ばした北参道PJ
▲建物の寿命を27年延ばした北参道PJ
岩本  裕
一級建築士

1973生まれ、東京都市大学(旧武蔵工業大学)工学部建築学科卒業。新卒で入社した五洋建設では現場監督とアメフト選手として活動。その後マンションデベロッパーにて土地仕入から企画販売を一貫して経験。リーマンショックを契機に、不景気に強いスモールオフィスビジネスに着目し、2009年8月に当社設立、代表取締役就任。一級建築士の知識と運営経験を活かし、東京都心部において古ビルを有効活用する事で多くの不動産を再生。その実績は累計100棟に及ぶ(2024年7月現在)。2023年6月に東証グロース市場へ上場し、新たなステージで挑戦を続けている。趣味はパワーリフティング(ベンチプレスは155kg)とバスフィッシング。

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