一級建築士 【代表岩本が語る 不動産再生のコツ】
築36年、共同住宅の賃料収入を“2倍”にした劇的なビフォー&アフターとは

Column

代官山にて、築36年全12戸のビンテージマンションを全35区画のスモールオフィスやSOHOへと再生させたプロジェクト「LANTIQUE BY IOQ」。結果的に賃貸マンション満室時の月額賃料収入910万円に比べ、約2倍となる1,790万円でリースアップとなりました。(図1)今回はこのプロジェクト「LANTIQUE BY IOQ」についてお話しします。

▲(図1)ビル再生後、月額賃料収入910万円→1,790万円と“2倍”へ
▲(図1)ビル再生後、月額賃料収入910万円→1,790万円と“2倍”へ

ビフォー&アフターというと、デザインばかりに目が行きがちですが、不動産の収益を押し上げる為には、まず用途変更や床面積を増やすなどの抜本的改良を考える事が最優先となります。今回のプロジェクトで実施した、抜本的改良は3点となります。(表1)

▲(表1)
▲(表1)

まず初めに貸床面積を増やす事を考えました。そこで着目したのが地下駐車場です。条例では、2台あれば良い駐車場が地下駐車場で16台ありました。スモールオフィス・SOHOの場合、駐車場の需要は少ないので屋外駐車場を2台設置し、地下駐車場部分は既存の躯体を活かしてオフィス専有部や共用部ラウンジとしました。一部住宅用の倉庫を設置する事で、建物全体の容積を調整しています。

次に第2種中高層住居専用地域だった為、2階以下はオフィスへと用途変更を行い賃料単価をアップしました。最後に、3階以上の住宅部分は150㎡と大区画だった為、寄宿舎に用途変更し20㎡程のスモールオフィスにする事で賃料単価アップを実現しました。

▲「LANTIQUE BY IOQ」開放感のある共用部ラウンジ
▲「LANTIQUE BY IOQ」開放感のある共用部ラウンジ

建物全体の遵法性を保ちつつ上記3点の大改良を施し、デザイン性あふれる共用部を設置する事で、月額賃料が約2倍となり収益性向上が実現できたプロジェクトとなります。実質の設計期間は約6カ月、施工期間も約10カ月と、当社としては比較的長期間の再生プロジェクトでしたが、リーシングは6カ月程で全35区画が満室となりました。(LANTIQUE公式サイト:https://lantique.jp/

 

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岩本  裕
一級建築士

1973生まれ、東京都市大学(旧武蔵工業大学)工学部建築学科卒業。新卒で入社した五洋建設では現場監督とアメフト選手として活動。その後マンションデベロッパーにて土地仕入から企画販売を一貫して経験。リーマンショックを契機に、不景気に強いスモールオフィスビジネスに着目し、2009年8月に当社設立、代表取締役就任。一級建築士の知識と運営経験を活かし、東京都心部において古ビルを有効活用する事で多くの不動産を再生。その実績は累計100棟に及ぶ(2024年7月現在)。2023年6月に東証グロース市場へ上場し、新たなステージで挑戦を続けている。趣味はパワーリフティング(ベンチプレスは155kg)とバスフィッシング。

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