旧耐震建築を考える「本当に必要な法改正」とは

Column

最大震度7の能登半島地震は、建物の倒壊により多くの被害を及ぼしました。
画像を見る限りでは、倒壊した建物の多くが、瓦屋根の木造で築年数が古い建物であると思われます。
大きな被害を受けた珠洲市によると、市内にある住宅約6,000軒のうち、2018年度末までに国の耐震基準を満たしていたのは約半分となっていて、同じ時期の全国の耐震化率(87%)と比べても極端に低いデータが出ています。このデータを見れば、震度7クラスの地震で大惨事が起こりうることは予測ができたと思われますが、行政側としては、調査とリスク周知までが限界であり、耐震補強工事費用に対する大分部の補助までは出ないのが現状かと思われます。
東京都でも昭和の高度成長期に建設された旧耐震建築物が多数残っています。大地震が起こると、耐震性の問題がクローズアップされますが、工事費や、普通借テナントの問題で、建替えや耐震補強(以降建替え等)には至らず現状維持とするオーナーも沢山います。

では今後、建替え等を促進する為にどのような法改正が必要でしょうか?
まずは①「耐震診断と設計の補助」現状一部の幹線道路沿いなどは補助が出ていますが、全てのビルには出ていません。一定のリスクを把握するのは重要な事です。調査をすると新耐震基準を満たしている旧耐震ビルも少なくありません。
②「耐震補強費の一部補助」全額は厳しいと思いますが、一定の条件下で一部でも補助が出来ると建替え等は促進されます。もちろん企業規模や建物規模での線引きも必要です。
③「普通借家契約に関する宅建業法の改正」古い貸しビルの場合は、工事費以上に普通借でのテナント立ち退き保証がネックになる場合があります。ビルオーナー・テナント双方にプラスとなる法改正が必要です。
④「避難階段、バルコニー設置等の建築基準法の緩和」古いビルに避難階段の増設や、避難バルコニーを設置した場合は面積除外する等、より建替えや改修を促進できる改正が必要です。

日本ではこれまで大規模災害の度に、建築基準法・消防法等の法改正がなされてきました。
共同住宅に関しては、建替えに関する法改正も進みつつありますが、同じような悲劇を繰り返さない為にも、戸建てやテナントビル等も含め一刻も早い法改正や行政の補助が必要と感じます。

▲耐震補強と改修工事を行い、耐用年数を20年延長したIVY WORKS
▲耐震補強と改修工事を行い、耐用年数を20年延長したIVY WORKS

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岩本  裕

一級建築士、東京都市大学(旧武蔵工業大学)工学部建築学科卒業
大手ゼネコンでは、主にマンション工事の現場監督とアメフト選手として活動、 その後大手マンションデベロッパーと新興デベロッパーにて土地の仕入れから企画販売を一貫して経験。2009年8月、「the SOHO」の運営を機に当社設立。代表取締役就任、2021年7月サイバーエージェントグループに参画、現在に至る。
趣味:週3回以上のパワーリフティング(ベンチプレスは155㎏)、バスフィッシング

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