【代表岩本が語る 不動産再生のコツ】
ホテルからシェアオフィスへのコンバージョン相談が増加中
そのメリット・デメリットを考える

Column

築古のオフィスビルをシェアオフィスにコンバージョンする事例が多いのですが、最近ではホテルからシェアオフィスへのコンバージョン依頼が増えています。
過去に、5棟の実績、現在1棟工事中、相談2件と急激に案件が増えています。
今回は元ホテル案件が増えている理由やシェアオフィスに変更する際のメリット・デメリットについてお話ししたいと思います。

▲88室のホテルを一棟シェアオフィスへ用途変更したTHE CASK GOTANDA
▲88室のホテルを一棟シェアオフィスへ用途変更したTHE CASK GOTANDA

昨今の経済状況により、ホテルとしての運営が苦しくなり、オペレーターが離れ営業を停止するホテルが増えています。特に築20年以上経過したホテルは、競争力を保つために再投資をするのか、建て替えや用途変更をするのか等オーナーは頭を悩ませており、そのような状況の中でシェアオフィスへの検討依頼が増えているのだと思います。

ホテル用途で建てたビルを住宅にするには、用途変更申請が必要となります。窓先空地も必要となり、ほとんどのホテルが全戸を住宅に変更することは不可能となります。また、可能な一部のみを住宅に変更しようとしても、今度は旅館業の壁があり、ホテルと住宅の混在で旅館業許可を下ろすのは困難を極めます。

次に、店舗など商業に変更するには用途変更申請の他、区画割が小さすぎる、天井高が低い、供給インフラが違うなど複数の課題があり、コストが大きくかかるため、なかなか実現に至りません。

一方オフィスに変更する際には、用途変更申請は不要であり、比較的短期間で工事を実施することが可能です。また、スモールオフィスを企画すれば、そのままの間仕切りや共用ラウンジを利用することができ、工事コストを抑えることもできます。その一方で、室内の既存トイレや水回りはオフィスでは不要となるため、撤去して共用部として再設置するのが望ましいです。男女別の共用トイレ、給湯室、会議室、ラウンジなどはオフィスとして最低限必要となるため、運営効率を考えるとある程度の規模が必要となります。

▲シェアオフィスに変更する際のメリット・デメリット
▲シェアオフィスに変更する際のメリット・デメリット
▲基準階図面 Before After(ホテルをコンバージョンしたTHE CASK GOTANDA)
▲基準階図面 Before After(ホテルをコンバージョンしたTHE CASK GOTANDA)

上記を踏まえると、シェアオフィスへのコンバージョンが他の用途に比べて収益的に優れている点が多くあります。
元ホテル案件が出た場合はぜひ一度シェアオフィスへの用途変更を検討してみてはいかがでしょうか?

築古中小規模ビルの有効利活用に関するご相談はお気軽にご連絡ください。

<お問い合わせ先>
株式会社リアルゲイト
住所:東京都渋谷区千駄ヶ谷3-55-18
TEL:03-6804-3944
HP:www.realgate.jp
オフィス検索サイトORDERMADE TOKYO:ordermade-tokyo.jp

岩本  裕
一級建築士

東京都市大学(旧武蔵工業大学)工学部建築学科卒業
大手ゼネコンでは、主にマンション工事の現場監督とアメフト選手として活動、 その後大手マンションデベロッパーと新興デベロッパーにて土地の仕入れから企画販売を一貫して経験。2009年8月、「the SOHO」の運営を機に当社設立。代表取締役就任、2021年7月サイバーエージェントグループに参画、現在に至る。
趣味:週3回以上のパワーリフティング(ベンチプレスは155㎏)、バスフィッシング

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