【代表岩本が語る 不動産再生のコツ】
日本橋富沢町リノベオフィス、オープン後1ヶ月で満室へ
~築31年7階建ビル1棟をオフィスと店舗の複合施設へとリノベーション~

Column

高収益化と早期リースアップのための3つの戦略とリーシング計画

事務所として利用されていた当オフィスビル。1階は店舗、2~7階はオフィス、そしてルーフトップから構成される。
オフィス区画は全17区画。1区画の平均面積は14坪、平均坪単価は約2.1万円。
日本橋周辺のオフィスビルの平均坪単価の約2倍の賃料設定にも関わらず、オープン後1ヶ月も経たないうちに全区画がリースアップした。

日本橋は、行政の政策により近年ファミリー層の高級マンションが誘致される一方で、一部の地区では昔からの卸問屋や製造業の事務所などが残っている独特なエリアだ。
クリエイティブなオフィスビルは少なく、需要があるか迷ったが、高級デザイナーズマンション等の供給が増えている事もあり事業をスタートさせた。
当オフィスビルを成功させた3つの要因を紹介する。

 

シェアオフィスの外観

 

<成功要因1>ビル外観と1階のテナント

最重視したのはビル外観と1階のテナントである。1階のテナントは、ビルの前を通る人の目に付くため、ビルのイメージの大半を決定する要素となる。
他社では、外観は二の次で賃料のみを重視したテナントを1階に誘致し上層階が空いているビルをよく見るが、リアルゲイトでは、上層階の割合が多いビルは1階の賃料を下げてでもビル全体の価値を上げるようなテナントを誘致すべきと考えた。今回は、入居者に割引をする条件でコーヒーとクラフトビールを提供するテナントを誘致。
店舗の外観とビルの外観もマッチさせ、一緒にリニューアルすることでバリューアップを果たした。

<成功要因2>共用部の充実

デザイン性のあるラウンジやエントランス、会議室や共用トイレを設置した。
個室のスモールオフィスを選ぶ事業者の中には、マンションでのSOHO利用から移る人も少なくない。特に水回りが専有部にあるSOHO利用者にとっては、男女別の共用トイレの有無は重要で、希望条件として挙げる事業者も多い。
人に自慢できるおしゃれな共用部があり、清掃も毎日してくれて法人登記や社名表示等も可能となれば、入居のメリットは大きい。

<成功要因3>リーシング計画

初めてのエリアだったため、新たな需要を獲得する必要があった。
分譲マンションのリーシングと同じ様に、現地看板やWEB広告など仲介業者に頼らない戦略的な集客を行い、顧客を獲得することができた。

3点が当オフィスビルの高収益化と早期リースアップの成功要因である。
今後築古中小ビルはその競争力がさらに問われる時代になる。
オフィスビルに関して言えば、スタートアップ企業の増加や働き方の多様化から、デザイン戦略やリーシング計画による差が顕著に表れるようになるだろう。
リアルゲイトでは、長期的・安定的なビル経営のサポートができるよう、不動産本来の良さを残しながら、さらに良いものに蘇らせ、リブランディングを行っていく。

シェアオフィスの共用部

 

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岩本  裕
一級建築士

東京都市大学(旧武蔵工業大学)工学部建築学科卒業
大手ゼネコンでは、主にマンション工事の現場監督とアメフト選手として活動、 その後大手マンションデベロッパーと新興デベロッパーにて土地の仕入れから企画販売を一貫して経験。2009年8月、「the SOHO」の運営を機に当社設立。代表取締役就任、2021年7月サイバーエージェントグループに参画、現在に至る。
趣味:週3回以上のパワーリフティング(ベンチプレスは155㎏)、バスフィッシング

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