一級建築士 【代表岩本が語る 不動産再生のコツ】
建築費高騰!中小ビルの仕入れ環境のいま
Column
先日、当社の第17期決算を発表しました。各段階利益も順調に推移し、予定を上回る結果で締めくくることができました。
この1年間で新たに5棟の保有物件を取得し、着実にポートフォリオを拡大しています。ただし、来期以降の成長のカギを握るのは、引き続き中小規模の築古ビルを安定的に仕入れられるかどうかです。
近年、建築費は高止まりが続き、落ち着く気配がありません。その影響で、多くの不動産デベロッパーは新築開発による事業拡大が難しくなり、代わりに既存の築浅中小ビルを仕入れて再販売する動きを強めています。その結果、築浅で状態の良い物件をめぐる仕入れ競争は激化し、価格も上昇傾向にあります。資本力のある大手との競り合いが増え、私たちのような中規模デベロッパーにとって仕入れ環境は厳しさを増しています。(表1)
一方で、築50年近い築古ビルは修繕や改修に手間と時間がかかるため、一般的な不動産会社は手を出しにくいのが現状です。私たちはこれまでの経験と技術力を活かし、これらの築古ビルを購入後に耐震補強や耐久性向上工事を施した上で、中長期的に保有・運用しています。
以前は、築古ビルが売りに出ると更地にして新築を建てる業者との競り合いが常でした。しかし、建築費の高騰によって、新築よりも既存建物を活かす方が経済的に合理的なケースが増えてきたため、私たちが築古ビルを購入できるチャンスも増えました。
また、環境配慮の観点からも既存の建物を活かす動きが市場全体で進んでいます。法定耐用年数を超えた物件であっても、耐震補強や耐久性向上工事を施し、建物の現状を専門的に評価したER(エンジニアリングレポート)を取得することで、金融機関からの融資も可能になっています。
今後も技術力と企画力を強みに、唯一無二の不動産再生デベロッパーとして、「建物を100年使う」都市づくりを目指していきます。
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