一級建築士 【代表岩本が語る 不動産再生のコツ】
スタートアップにとって「オフィス」とは何か ーサイバーエージェント 藤田社長の答えー
Column
7月7日、当社が企画・運営を行うオフィスビル「ANYZ/エニーズ」にて、スタートアップ企業向けのトークイベントを開催しました。
ゲストスピーカーには、インターネット業界を牽引してきたサイバーエージェント・藤田晋社長。私たちが日々向き合っている「スタートアップのオフィス選び」について、お話を伺いました。
藤田社長の著書『渋谷で働く社長の告白』にも登場する「マザーズ上場直前に、渋谷マークシティへ移転を決断した理由」について当時、なぜそのタイミングでオフィス移転という大きな決断に至ったのか。その決断に至った背景や、実際に移転後どのような効果があったのか、ぜひご本人の言葉を聞きたいと思っていました。
しかし返ってきた答えは、意外なものでした。
「真似をしたらダメ。無理してオフィスを拡大することはお勧めしない。」
その理由について、藤田社長はこう語っています。
「当時は採用活動やBtoBビジネスにおける信用獲得のため、オフィスという“ハード面”への投資が必要でした。ITバブルという特殊な時流に乗るための戦略でもありました。若さゆえにできた判断でしたが、正直なところ業績が後からなんとかついてきたというのが実情です。今の時代に同じことをするのはお勧めしません。」
続けて、現代のスタートアップ事情についてこう語っています。
「今は、拡大基調のスタートアップ向けに特化したオフィスも豊富にあります。共用部も豊富で、ビジネスパートナーと出会うこともあるかもしれません。そうした環境を利用するべきです。」
実際、法人登記のハードルも下がり、少ない資本で起業しやすくなった今の時代では、失敗しても大きな損害を被るリスクも減ってきています。一方で、サイバーエージェントのように“21世紀を代表する企業”が近年なかなか生まれていない現実もあります。
そうした状況を考えると、当時の藤田社長が語る「数年先を見据えた大きなオフィス投資」は、決して無駄になることはなく、むしろその大きな壁を超えたからこそ、会社が大きく成長したとも言えるのではないでしょうか。数年先の成長を見越したスタートアップのオフィス選びは経営者にとって、難しい課題であると再認識しました。
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