【代表岩本が語る 不動産再生のコツ】
最近のオフィス動向とシェアオフィス業界について

Column

オフィス空室率の上昇や、大手シェアオフィス運営会社の経営難などオフィス業界ではネガティブな話題が増えてきました。
今回は、米国との比較なども含め、最近のオフィス動向とシェアオフィス業界について私の考えをお話したいと思います。

まず、オフィス空室率ですが、日本、米国ともに23年3月においてもコロナ前の水準には戻っておりません。
特に米国の空室率は高く、日本より1年以上早く平時に戻った事を考えると、15%を上回るサンフランシスコの空室率は異常と言っても良いでしょう。
その空室率の要因は、在宅率の高さだと思われます。比較的住環境の良いサンフランシスコなどでは、在宅でもゆったりとしたワークスペースが確保できる場合も多く、オフィス回帰への反発へとつながっている様に感じます。
米国ではオフィス空室率が高いのと同等の理由でシェアオフィスも当然に利用率が落ち、経営を圧迫していると考えられます。(表1 オフィス稼働率)

▲(表1)オフィス稼働率
▲(表1)オフィス稼働率

国内のシェアオフィス業界に目を向けてみると、年々フレキシブルオフィスの面積は増えており、今後も順調に伸びていくと思われます。
そんな中、比較的築浅のビルに出店している大規模シェアオフィスが撤退する情報を良く耳にするようになりました。

2018年あたりから、外資・国内問わず多くの企業がシェアオフィス事業に参入し始めましたが、資本力の豊かな大手は、新築ビルを中心に出店、拡大していった傾向があります。新築ビルでのシェアオフィスは当然利用料も高額になります。

一方でシェアオフィス利用者の多くはスタートアップ企業や中小企業となります。
高額なシェアオフィスニーズは、大企業のサテライトニーズや資本力のある一部のスタートアップ企業のニーズはありましたが、コロナ禍を経てその様な会社が減り、需給のバランスが崩れてきているのが撤退の原因と考えられます。(表2 シェアオフィス市場の拡大)

▲(表2)シェアオフィス市場の拡大
▲(表2)シェアオフィス市場の拡大

コロナ禍で進んだ働き方の自由化は国内においてもある程度定着しました。
今後のオフィスは都心大規模一強の時代から、自由度の有るシェアオフィス・スモールオフィス化、住宅内やリゾート、郊外などに分散する時代が来ると思われます。

今後、高賃料・高稼働を保つにはビルオーナー側も企画のみならず、運用方法・賃貸方法の変化など柔軟な対応がより重要となるでしょう。(表3 オフィス分散化の時代)

▲(表3)オフィス分散化の時代
▲(表3)オフィス分散化の時代

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岩本  裕
一級建築士

東京都市大学(旧武蔵工業大学)工学部建築学科卒業
大手ゼネコンでは、主にマンション工事の現場監督とアメフト選手として活動、 その後大手マンションデベロッパーと新興デベロッパーにて土地の仕入れから企画販売を一貫して経験。2009年8月、「the SOHO」の運営を機に当社設立。代表取締役就任、2021年7月サイバーエージェントグループに参画、現在に至る。
趣味:週3回以上のパワーリフティング(ベンチプレスは155㎏)、バスフィッシング

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