【代表岩本が語る 不動産再生のコツ】
コロナ禍でのシェアオフィス需要 2年半の傾向を解説(フリーデスク編)
Column
前回、コロナ禍2年半のシェアオフィス(個室スモールオフィス)需要の変化を説明しましたが、今回はフリーデスク&固定デスク(以下フリーデスク等)の稼働率や移転理由を解説いたします。
当社では、フリーデスクのみを設置した施設は無く、一棟での運用の中でスモールオフィスとフリーデスク等を組み合わせ、それぞれの契約者が同じ共用部を利用するハイブリット型で運用しているのが特徴です。現在65棟運営する施設のうち、16棟にフリーデスクを設置しています。(表1)
20年4月、1回目の緊急事態宣言後に解約申請が急増しましたが、その後7月より契約数が増加します。契約理由として新規開設が最も多く、テレワークの普及により会社員等の個人契約の会員が増え、その後も会員数は増加傾向を続けます。
22年に入り、コロナ以後を見据えたオフィス回帰の動きが出始め、解約申請が一時的に増加しましたが、その後は契約数が解約申請数を若干上回る水準で落ち着いた推移となっています。(表2表3)
最近の特徴として、住宅とシェアオフィスの複合施設では引き続きのテレワークニーズによるフリーデスク需要が一定数あるものの、全体的には個人のテレワーク利用は減少傾向にあり、本来の需要の中心であった個人事業主の利用や完全テレワーク型に切り替えた法人登記利用などが需要を支えています。
また、フリーデスクのみの施設はそれほど大規模でなくても開業可能であることから、近年では競合他社も多く、過度なテレワーク需要を期待しフリーデスク単独で事業収支を向上させるのは厳しい時代になっていると感じます。
当社では、スモールオフィスを中心に事業を組み立て、一定規模以上のラウンジを有する施設にのみプラス要素としてフリーデスク会員を取り組む事業収支を組んでおり、収益向上のためにWEBカメラや受付システムなどを導入した無人化での運用も心掛けています。
内装やサービスでの差別化はもちろんのこと、ITシステムを取り入れるなどしていかにランニングコストを抑えるかが重要となるでしょう。
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