【代表岩本が語る 不動産再生のコツ】
「アートの力」 ~巨大外壁アートによる意外な宣伝効果について~

Column

当社ではビルの外壁や共用部に多くのアート作品を施しています。ラウンジや会議室などにアートを飾ることはよくあると思いますが、外壁に大きなアートを施すことは日本ではあまり見かけません。
今回はなぜ外壁に大きなアートを施すのか?そしてその思わぬ効果についてお話しします。

LAのダウンタウンにアートディストリクトというエリアがあります。元々は倉庫街で人気もなく、治安も悪かったエリアですが、戦略的に多くの外壁アートを施したことで若者やアーティストが集まり、今ではファミリー層も訪れる人気エリアとなりました。
私も8年ほど前に実際に行ったのですが、その活気と明るい街並みに驚きました。街の至る所に巨大な外壁アートが描かれ、カラフルな外観の建物が点在し、カフェやギャラリーを散策するだけで楽しかった記憶があります。巨大な外壁アートには、そんな力があると感じました。

一方で、日本では外観や広告の規制が多く、それを調べて申請を出すだけでも一苦労です。あえてその苦労をしてまで、アートを施すことを選択するオーナーは少数派ですが、アートにはそこで働く人を元気にし、さらには街全体を元気にする力があり、それが1番の効果ではないでしょうか?

またSNSの個人利用が定着した現在では、写真映えする壁画などが思わぬ撮影スポットとなり拡散され、その写真をきっかけに物件や会社が知られ、オフィスの契約や入社に繋がるケースもあります。
そして何より、多くの人に作品が見られることはアーティストにとっても大きなやりがいとなります。

最後に思わぬ効果として、アートを施すことにより落書きが減るというメリットもあります。原宿などでは、残念ながら違法な落書きが多く、その対応で何度か塗装をやり直したり、監視カメラを付けたりするオーナーも少なくないと思います。

落書きをする人もアーティストにはリスペクトがあり、他のアーティストが描いたキャンパスには重ねて落書きはしない風潮があるようです。
実際、弊社が手掛ける物件の壁画周辺に落書きをされたことはありません。

アートは人それぞれの好みがあり、選定が難しい部分もありますが、個性的な建物を創造するには欠かせないアイテムだと思います。
ぜひ、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。

 

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岩本  裕
一級建築士

東京都市大学(旧武蔵工業大学)工学部建築学科卒業
大手ゼネコンでは、主にマンション工事の現場監督とアメフト選手として活動、 その後大手マンションデベロッパーと新興デベロッパーにて土地の仕入れから企画販売を一貫して経験。2009年8月、「the SOHO」の運営を機に当社設立。代表取締役就任、2021年7月サイバーエージェントグループに参画、現在に至る。
趣味:週3回以上のパワーリフティング(ベンチプレスは155㎏)、バスフィッシング

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