【代表岩本が語る 不動産再生のコツ】
シェアオフィスのゾーニングについて シェアオフィスに眺望や採光は必要か?

Column

住宅であれば同じ部屋の広さでも、眺望の良い上層階ほど賃料は高くなりますが、オフィスの場合はどうでしょうか。

今回は、オフィスの眺望や採光についてお話ししたいと思います。

最近ではワンフロア300坪を超える大きなフロアを小割にしたシェアオフィスが増えています。シェアオフィスの場合、窓がある区画は一部となり、大半は窓に接しておらず、区画によっては外部からの採光を全く感じられない場合もあります。

作業を中心としたオフィスでも、やはり自然光があり、ふと外を見たときに眺望が良い方がリラックスもできるので、もちろん窓付きの区画は窓が無い区画より人気があり、単価も高くなります。

 

では窓が無い区画は余程安くしないと貸せないのでしょうか?そこは工夫次第で単価を下げずに貸し出すことができます。

例えば、ラウンジや廊下の一部を外壁面に配置したり、廊下面や扉にガラスを入れたりすることで、外光を室内に取り込むことが可能です。さらに外壁に直接面さない区画はグロスを小さくして、単価の下落を防ぐなどの工夫をすることで、外壁面でなくても単価を大きく下げる事なく貸せる場合があります。レンタブル率が多少落ちても、オフィスへの採光は重要と言えるでしょう。(図1)

▲図1 廊下面にサッシを入れた「THE MODULE roppongi 」3階平面図
▲図1 廊下面にサッシを入れた「THE MODULE roppongi 」3階平面図

また専有部を高く貸すには共用部の配置や機能も重要となります。

商談場所や、社員が休憩する場所などは眺望が良く、リラックスできる空間が必要となり、専有部にその様な空間が確保できないシェアオフィスでは特に重要となります。

共用ラウンジや大きな会議室は、上層階かつ窓に接する配置が理想的で、さらに屋上の有効利用も物件の価値向上に繋がります。(写真1)

▲写真1 眺望が良い最上階に位置する「PORTAL POINT 原宿」ラウンジ(会議室有り)
▲写真1 眺望が良い最上階に位置する「PORTAL POINT 原宿」ラウンジ(会議室有り)

屋上は直接の賃料を生みませんが、休憩や打合せ、社内イベントなど様々な機能に役立ち、他物件との大きな差別化となります。(写真2)

大型のオフィス需要が下落し続ける中、大型フロアをシェアオフィスやスモールオフィスに変更し、賃料の下落を防ぐには、眺望や採光などを加味したゾーニングの工夫が必要となるでしょう。

▲写真2 Wi-Fi完備、貸し切りBBQやイベントも可能な「GROWTH BY IOQ」屋上
▲写真2 Wi-Fi完備、貸し切りBBQやイベントも可能な「GROWTH BY IOQ」屋上

築古中小規模ビルの有効利活用に関するご相談はお気軽にご連絡ください。

<お問い合わせ先>
株式会社リアルゲイト
住所:東京都渋谷区千駄ヶ谷3-55-18
TEL:03-6804-3944
HP:www.realgate.jp
オフィス検索サイトORDERMADE TOKYO:ordermade-tokyo.jp

岩本  裕
一級建築士

東京都市大学(旧武蔵工業大学)工学部建築学科卒業
大手ゼネコンでは、主にマンション工事の現場監督とアメフト選手として活動、 その後大手マンションデベロッパーと新興デベロッパーにて土地の仕入れから企画販売を一貫して経験。2009年8月、「the SOHO」の運営を機に当社設立。代表取締役就任、2021年7月サイバーエージェントグループに参画、現在に至る。
趣味:週3回以上のパワーリフティング(ベンチプレスは155㎏)、バスフィッシング

Drag