【代表岩本が語る 不動産再生のコツ】
築古ビル一棟のリノベーション工事費について
築45年、延床面積約570坪の実例を基に解説
Column
講演会や関係者内覧会を開催すると、工事費に関しての質問をよく受けます。
築年数や設備のメンテナンス状況、工事期間などにより工事費は大きく異なりますが、今回は当社の築45年・延床面積566坪・RC造・5階建・耐震補強工事済「THE WORKS(ザ ワークス)」の実例を基に解説します。(表1参照)
▲表1:THE WORKS工事費内訳
1.工期と工事費の関係
工事を行う場合、最短で設計期間が3か月、工事期間が4か月程度となります。5%程度の追加工事費を収支上見込み、平面図や天伏図、設備のプロット図などの簡易図面にて見積もりを取得、その後着工し完成となります。
工事前にすべての工事内容を図面化するには、調査解体などをする必要があり、更に工事業者の入札をするには、その調整で1か月~2か月設計期間が伸びることもあります。
入札をすると工事費が下がる可能性もありますが、設計調整期間が2か月ほど伸びる事となり、事業として工期と工事費どちらを重視するかの判断が重要となります。
2.工事費の算出について
いわゆる工事費とは表2の⑥外装・内装に要すると思われますが、実はその他の部分の①~⑤で工事費は大きく左右されます。弊社の実例ですと⑥は、坪20万円前後です。(表2参照)
②~⑤の工事費を算出するには、まず①物件の事業期間(運用期間)を定めなければなりません。事業期間が短ければ、エレベーターやエアコンなどの設備交換は、運用後にある程度の修繕費を見越し最低限に抑えたいところです。運用期間中故障の懸念がある物すべてを交換していると、多額のコストが掛かることもあるため、エアコンなど個別に修理や交換できる場合は、利用できる限界まで利用する方が得策と言えるでしょう。もちろん一体のパッケージエアコンなどは、最初に全交換せざるを得ない場合もあります。何をどこまで交換するべきか、直すべきかの判断がリノベーション工事費用に大きく影響します。
▲表2:工事費算出のポイント
3.貸し方の工夫で工事費を下げる
貸し方基準や契約書の説明事項なども重要になってきます。老朽化が懸念される築古ビルの場合、原状回復義務の免除や内装の自由度を高めるなど、柔軟な貸し方により工事費を下げつつ、差別化を図ることができます。また建物の経年劣化や少し荒い床・壁・天井の仕上がり状況、入居後の設備交換の可能性なども含め、事前に理解していただいた上で入居してもらうことがトラブル回避の観点からも重要となります。
築古ビルは機能面や内装仕上げなど新築に劣る部分もありますが、新築には出せない風合いや独自性が出せるのもリノベーションならではの醍醐味ではないでしょうか。
入居者の利便性と建物の資産価値を最低限の投資で向上させ、収益の最大化を図ることが重要となるでしょう。
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