【代表岩本が語る 不動産再生のコツ】
コロナ禍のスタートアップ・中小企業オフィス移転傾向
解約・契約データ分析に見る最新オフィスニーズ

Column

入居テナントの解約・契約動向の分析

生活様式が一変した昨今、「リモートワーク」や「オフィスの在り方」に関するアンケート結果に基づく、オフィス不要論やテレワーク限界論など様々な記事を目にします。
今回は、弊社が運営する渋谷区・港区を中心とした43棟720区画のオフィスに入居する企業の解約・契約動向を基に、コロナ禍でのオフィス移転傾向を分析します。

入居者及び物件の分類

 

解約申請と新規契約数の推移(2020年3月~6月)

スタートアップ・中小企業は事業規模の変化が大きく、小区画のオフィスを借りている企業が多いため、解約予告期間も短く、オフィス移転の決断が早いのが特徴です。特に今年の3月から5月は解約申請が増加しました。しかし6月からは新規契約数が解約申請数を上回る結果となりました。

解約申請・新規契約数グラフ

また解約申請をした企業(5、6月累計)の解約事由は、「縮小移転」が77%に上ります。
テレワークとの併用でオフィスに常駐する人数が減った、コロナ禍での事業縮小や経費削減、今後の景気低迷に備えるといった理由が多くを占めました。

一方で、新規契約をした企業(5、6月累計)は、46%が縮小移転、35%が拡大移転、16%が同規模移転となっています。

拡大移転をした企業は、情報通信業等が中心で、業績好調による社員増員、ECサイト事業などの新規事業部立ち上げ、自宅とオフィスの分離等を理由に、オフィス需要が増えたものと見られます。

新規契約・解約申請理由グラフ

 

ニューノーマルな新しい働き方への対応

今後も長引くと予測される不透明な経済環境に備え、縮小移転やより安全性を高める為の移転、一部の企業においては拡大移転など、様々な理由によるオフィス移転の動きが更に活発になると予測しています。

貸し手側が賃料を落とさずに稼働率を維持するためには、衛生面での安全対策はもちろんのこと、変化する時代に合わせた契約内容の見直し(保証金の引き下げや解約予告期間の短縮等)、屋上の有効活用や自転車置き場の設置、ラウンジのレイアウト変更、そしてスピーディーなリーシング活動等、様々な対応が求められます。
ニューノーマルな新しい働き方に対応する、柔軟で自由度の高い企画運営力が、今後一層オフィス競争のカギとなるでしょう。

築古中小規模ビルの有効利活用に関するご相談はお気軽にご連絡ください。

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岩本  裕
一級建築士

東京都市大学(旧武蔵工業大学)工学部建築学科卒業
大手ゼネコンでは、主にマンション工事の現場監督とアメフト選手として活動、 その後大手マンションデベロッパーと新興デベロッパーにて土地の仕入れから企画販売を一貫して経験。2009年8月、「the SOHO」の運営を機に当社設立。代表取締役就任、2021年7月サイバーエージェントグループに参画、現在に至る。
趣味:週3回以上のパワーリフティング(ベンチプレスは155㎏)、バスフィッシング

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