【代表岩本が語る 不動産再生のコツ】
築古小規模ビルの一棟貸し「オーダーメイドビルディング」
~増築・用途変更などのリノベーションからリーシングまでの成功要因を解説~
Column
当社が2019年3月より開始した「オーダーメイドビルディング賃貸事業」は、300坪未満の小規模ビルを一括で約10年間借り上げ、一定のインフラ工事を行った後、スタートアップ企業向けにビル一棟を再賃貸するものです。
第一弾として渋谷区や中央区など、合計5棟でサービスの提供を開始し、フィットネスジムや撮影スタジオ、スクール、ジュエリー工房などから多数の入居申し込みを頂きました。
今回は渋谷駅から徒歩5分(13番出口より)に位置する、築22年地下1階地上3階建て約130坪のオフィスビル、「OMB JINGUMAE 2nd」の事例を基に、リノベーションからリーシングまでの成功のポイントを解説します。
リノベーションのポイントは、増築と用途変更です。容積率に余裕があった為、1階の屋外駐車場を区画形成することで、約27㎡増床させました。
さらに地下1階の屋内駐車場を、自社サービスや商品を扱う企業をターゲットに、ショールームとして利用できるよう事務所へ用途変更。アパレルやIT企業などが多数集積する渋谷区で、ニーズにマッチしたビルへと刷新しました。
またリーシングにおけるポイントは、1棟貸しならではの借主のメリットとデメリットを考慮した貸し方にあります。借主のメリットは、解体費や原状回復費を削減できる、入居者が自由にオリジナルな空間を実現できる、1棟を1社が利用するため柔軟な利用ルールが設定できる点などです。
一方デメリットは、完成イメージの想像がしづらい、工事費などの費用算出が難しく、入居検討に要する期間が長期になる、契約期間が比較的長い点などです。
当社ではデメリットを回避するために、事前に作成したレイアウトイメージ図を、Web掲載や内覧時の資料として活用し、入居後の完成イメージを想像しやすくします。また工事費用が比較的高い電気や空調設備、水廻り、外観の変更などは当社で行い、物件の内装工事は8割程度にとどめ、シンプルな状態で引き渡します。そうすることで入居者は、初期費用の算出が容易になり、契約締結後すぐに事業を開始できます。なお複数の同居法人を認めるなどの柔軟な貸し方で、比較的長い契約期間のネックを緩和できます。
オーダーメイドビルディング賃貸事業の反響を通して、自由でオリジナルなオフィス空間を求める需要が顕在化しました。今後も入居者ニーズやエリアの属性を把握し、他のビルとの差別化を図る本事業を展開して参ります。
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