【代表岩本が語る 不動産再生のコツ】
新築駅ビルにシェアオフィスを / Pointline Yutenji
~シェアオフィス事業の普及と浸透~

Column

祐天寺駅ビルが、シェアオフィス中心になった4つの理由

東急東横線「祐天寺」駅に直結する新築駅ビル。
リアルゲイトがオフィス部分の基本設計・実施設計監修および建物外観・内装デザイン監修からコンセプトメイキングのプロデュースを担当。開業後のリーシングマネジメントや管理・運営まで行います。
Pointline Yutenji(ポイントライン祐天寺)のフロア構成は、1階が商業施設・2階が保育施設・3階~6階が全20区画の25㎡~62㎡スモールオフィスとフリーデスクからなるシェアオフィスで構成されています。もともとは3階より上層階は賃貸マンションで企画されていた本プロジェクトですが、なぜシェアオフィス中心の企画に変更になったのでしょうか?

Pointline Yutenji(ポイントライン祐天寺)

1. 高い賃料収入が見込める

1つ目の要因は、高い賃料収入が見込めることです。
祐天寺の新築マンション30㎡の相場は12万~15万円(坪単価1.5万円前後)です。
一方、スモールオフィスの価格設定は、30㎡で21万~22万円(坪単価2.3万円前後)と住宅単価の1.5倍程度です。
シェアオフィスの場合は、会議室や共用トイレなどの共用部を設置する為、レンタブル比率は住宅に比べ2割程度落ちますが、それでもフロア単位で見ると、住宅の1.2倍~1.3倍程度の収益性アップが見込めます。

2. 建築費のコストダウン

2つ目の要因は、建築費が影響しています。
オフィスにした場合、キッチン、シャワー、収納などの住宅設備が不要で、さらにスモールオフィスとなると、大規模オフィスと違い、フリーアクセスフロアや高い天井などの過剰な設備投資が不要となります。
専有部の坪単価で、住宅と比較し20%~30%程度内装費のコストダウンが見込めます。

3. マーケットの変化

3つ目は、マーケットの変化です。
これまでシェアオフィスといえば、古ビル有効活用の為の手段として多く用いられ、新築ではあまり検討されませんでした。
そこには住宅の方が事業の先行きと需要が読みやすいとの判断がありましたが、近年新築・築浅のビルでのシェアオフィス事業が増えるなど、シェアオフィスのニーズが広く認められた形となり、各事業者が新築ビルでも取り組みやすくなったのが現状です。

4. 入居者の生活スタイル

4つ目は、入居者の生活スタイルに起因します。
シングル型マンションであれば、1区画に1~2人が入居し、平日の日中は家に居ることはなく、夜に帰ってくる事がほとんどです。
しかし、スモールオフィスであれば、1区画に4~8人程度の入居となり、平日の日中にビルが賑わう形となります。
本プロジェクトでは事業主が駅や街の賑わいを重視し、後者が採用されました。

このように街づくりの観念を視野に入れるプロジェクトでは、単純な物件の収益性だけでなく、様々な角度から事業性を検討することが重要になります。

 

 

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岩本  裕
一級建築士

東京都市大学(旧武蔵工業大学)工学部建築学科卒業
大手ゼネコンでは、主にマンション工事の現場監督とアメフト選手として活動、 その後大手マンションデベロッパーと新興デベロッパーにて土地の仕入れから企画販売を一貫して経験。2009年8月、「the SOHO」の運営を機に当社設立。代表取締役就任、2021年7月サイバーエージェントグループに参画、現在に至る。
趣味:週3回以上のパワーリフティング(ベンチプレスは155㎏)、バスフィッシング

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